違和感を感じていた頃とは、
もう明らかに違う場所に立っていた。
あの時は、
気のせいかもしれないと自分に言い聞かせていたし、
深く考えないようにしていた部分もあった。
でも、
確信に近い感覚を持つようになってからは、
気持ちの重さが変わっていた。
嫁と過ごす時間の中で、
何気ない瞬間に
強く意識してしまうことが増えていた。
以前なら流していたことが、
引っかかって仕方がない。
表面上はいつも通りでも、
自分の中ではずっと何かが動いている。
そして、
現実的な行動を考え始めてから、
その感覚はさらに強くなっていった。
まだ何もしていない。
何かを決めたわけでもない。
でも、
このまま同じ状態が続くわけじゃない、
という空気だけは感じていた。
何かが近づいている。
はっきりとは分からないけれど、
次の段階に進む時期が
すぐそこまで来ている気がしていた。
嫁との日常は、
一見すると変わらない。
会話もあるし、
同じ家で同じ時間を過ごしている。
でも、
自分の中の見え方は完全に変わっていた。
何気ない一言や、
ちょっとした仕草にも、
前より敏感になっている自分がいる。
それは、
疑っているからなのか、
確信に近づいているからなのか、
自分でもよく分からなかった。
ただ、
この状態が長く続くものではない、
ということだけは感じていた。
今までは、
違和感を整理することが中心だった。
その次は、
確信に近い気持ちを受け止める段階だった。
そして今、
その先にあるものを、
自然と意識し始めていた。
もし本当に何かがあるのなら、
このまま何も起きないはずがない。
どこかのタイミングで、
何かが表に出る。
自分が動くのか、
状況が動くのか、
それはまだ分からない。
でも、
止まったままではいられないところまで、
来ている気がしていた。
嫁と同じ空間にいながら、
少し離れた場所から
生活を見ているような感覚もあった。
前はただ一緒にいたはずなのに、
今はどこか冷静に見ている自分がいる。
その距離感に、
自分でも戸惑っていた。
それでも、
目を逸らすことはできなかった。
ここまで積み重ねてきたものが、
無かったことになるとは思えない。
むしろ、
何かが起きる前の静けさのような、
そんな感覚に近かった。
まだ決定的な出来事はない。
でも、
ずっと同じ状態ではいられない。
次の段階が、
少しずつ近づいてきている。
そう感じる時間が、
確実に増えていた。
その「次」が何なのかは、
まだ分からない。
嫁と向き合うことなのか、
事実をはっきりさせることなのか、
それとも別の何かなのか。
ただ、
このまま考え続けるだけの段階は、
終わりに近づいている気がしていた。
自分の中の空気が、
ゆっくりと変わっていく。
その変化を、
静かに感じている時期だった。
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