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違和感編
日常の中で常に考えてしまうようになった
特別なきっかけがあったわけではない。 何か決定的な出来事が起きたわけでも、 ある日を境に急に世界が変わったような感覚があったわけでもない。 ただ、 気づいたら考えている時間が増えていた。 それも、 「考えよう」と思っている時間ではない。 朝、歯... -
違和感編
小さなズレが重なっていく感覚
一つ一つは、 本当に些細なことだった。 わざわざ指摘するほどでもない。 気にする人のほうが神経質に見えるかもしれない。 会話の、ほんの一瞬の間。 返事の仕方の、わずかな違い。 予定を決めるときの、 どこか曖昧な言い方。 どれも、 単体で見れば問題... -
違和感編
現実を見始めてしまった気がした
数字を見て、 少しは冷静になれたはずだった。 感覚だけで考えていた頃よりも、 頭の中は整理されている。 過剰に不安を膨らませているわけではない、 そう自分に言い聞かせることもできた。 でも同時に、 別の感覚が生まれていた。 それは、 現実を見始め... -
記録・整理編
気づかないふりはできなかった
最初は、 気づかないふりができていた。 意識的に無視していた というほど強いものではない。 ただ、 深く考えないようにしていただけだった。 忙しいから。 疲れているだけだから。 今は余裕がない時期だから。 そういう理由はいくつも思いついたし どれ... -
違和感編
数字にすると少し冷静になれた
感覚だけで物事を考えていると、 どうしても気持ちのほうが先に動いてしまう。 「何となく遅い気がする」 「最近、帰りが遅い日が多い気がする」 そういう“気がする”という感覚は、 一度生まれるとどんどん大きくなっていく。 確かな根拠がなくても、 感情... -
記録・整理編
逃げ道がなくなってきた
これまでは、 いくつか逃げ道があった。 本気で逃げていたわけではない。 ただ、考え続ける中で、 少しだけ呼吸を緩めるための余地が 残されていた。 「まだ判断する段階じゃない」 「もう少し様子を見よう」 「自分が考えすぎているだけかもしれない」 そ... -
違和感編
嫁の帰宅時間を意識するようになった
それまでは、 嫁の帰宅時間を意識することなどほとんどなかった。 仕事というものは日によって違う。 早く終わる日もあれば、思った以上に長引く日もある。 それが普通で、当たり前で、 わざわざ確認するようなことでもないと思っていた。 「今日は何時に... -
違和感編
確かめるために必要なことを考えた
確かめたい。 という気持ちがこれまでよりも はっきりした形を持ち始めていた。 衝動のように浮かんでは消えるものではなく、 頭の片隅に常に残り、考えようとしなくても意識に上ってくる。 それはもう一時的な思いつきではなかった。 ただ、 何をどう確か... -
違和感編
嫁の行動を思い返すようになった
それまでは、違和感を感じた瞬間だけを切り取って考えていた。 引っかかった場面があればその場面だけを思い返し、その都度「気にしすぎだ」と結論づける。 点としての違和感はそうやって処理できていた。 でもある日、本当に些細なきっかけで感覚が少し変... -
違和感編
確かめたい気持ちが消えなかった
夜、家に帰ると嫁はリビングにいた。 ソファに腰を下ろし、テレビをつけたまま手元ではスマホを操作している。 画面から流れてくる音と指先の動きだけが目に入る、よくある光景だった。 「おかえり」 「ただいま」 そのやり取りは昨日までと変わらない。 ...