ここ数日、頭の中で同じことを何度も繰り返していた。
嫁のこと。
浮気の可能性。
そして、自分がこれからどうするべきなのか。
考えれば考えるほど、結論を急いでいる自分がいることに気づいた。
浮気だったらどうするのか。
離婚するべきなのか。
このまま夫婦関係を続けるのか。
どれも重い選択だった。
でも、あるときふと立ち止まった。
まだ何も確かめていない。
その事実に気づいたとき、少しだけ肩の力が抜けた。
今までの自分は、想像の中で結論を出そうとしていた。
浮気かもしれない。
離婚になるかもしれない。
そんな未来ばかり先に考えていた。
でも、本当に必要なのはもっと手前のことなのではないかと思った。
まずは事実を知ること。
それだけだ。
それからどうするかを考えればいい。
そう思えた瞬間、少しだけ呼吸が楽になった。
仕事の帰り道、駅へ向かう人の流れの中を歩きながら、ゆっくり考えていた。
街の灯りが少しずつ増えていく時間だった。
もし浮気がなかったら。
それなら、それでいい。
自分の考えすぎだったと分かれば、それで終わる。
逆に、浮気が事実だったら。
そのときは、そのときだ。
離婚という言葉を現実として考えることになるかもしれない。
でも、その判断は今する必要はない。
まずは事実を知る。
それだけでいい。
そう思えたことで、頭の中の混乱が少し整理された気がした。
家に帰ると、嫁はキッチンに立っていた。
フライパンの音がして、夕食の匂いが広がっていた。
「おかえり。今日は少し帰り遅かったね、仕事かなり忙しかったの?」
嫁が振り返りながら聞いた。
「うん、今日は少しだけ会議が長引いてて、気づいたらこんな時間になってた」
そう答えながら上着を脱いだ。
「最近忙しそうだよね。体調崩さないように気をつけてほしいな」
嫁はそう言いながら皿を並べていた。
その言葉は、いつもの嫁の声だった。
何も変わっていないようにも見える。
でも、自分の中では以前とは違う時間が流れていた。
食事のあと、リビングで少しだけ会話が続いた。
「最近、仕事ばっかりで疲れてない?顔ちょっと疲れてる気がするよ」
嫁がソファからこちらを見て言った。
「そうかもしれないな。ちょっと考えることが多くて頭が休まってない感じがする」
「無理しないでよ。最近あまりゆっくり話もしてない気がするし」
その言葉に、少しだけ胸が動いた。
以前なら、この会話をそのまま受け取っていたと思う。
でも今は、どこか冷静な自分がいる。
浮気をしているのかどうか。
それを自分はまだ知らない。
知らないからこそ、いろいろな想像をしてしまう。
でも、その想像に意味はないのかもしれない。
事実を知るしかない。
夜、リビングで一人になったあと、スマホを手に取った。
以前調べた浮気調査のページをもう一度開いてみた。
探偵という言葉は、少し前まで現実味がなかった。
でも今は違う。
それは特別なことではなく、事実を知るための手段の一つとして存在していた。
もちろん、すぐに依頼するわけではない。
ただ、そういう方法があることを知っておくことは必要な気がした。
いくつかのページを見ている中で、以前見かけた無料相談の案内もあった。
あなたにぴったりの探偵社をご紹介!【街角相談所 -探偵-】
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実際に調査をするかどうかは、そのあとで決めればいい。
まずは状況を整理すること。
そういう使い方をしている人も多いらしい。
その説明を読みながら思った。
自分は、まだ決断をする段階ではない。
離婚するかどうか。
嫁とどう向き合うか。
それは、事実を知ってからでも遅くない。
ベッドに入ってからも、その考えは頭の中に残っていた。
今までの自分は、未来の結論まで一気に考えようとしていた。
浮気、離婚、子ども、生活。
すべてを同時に考えるから、頭が動かなくなる。
でも、順番がある。
まずは事実を知ること。
それから、自分の人生をどうするのか考えればいい。
この日、自分は初めてそう思えた。
決断を急がなくてもいい。
調査してから考えればいい。
その順番を受け入れたことで、少しだけ心が静かになっていた。
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